旧長谷川治郎兵衛家の注連縄(しめなわ)です。角にコブがある大きなものです。ここには、福が詰まっていると言われています。跳ね上がった角は、海老や兜(かぶと)を表しています。「蘇民将来子孫家門」の護(まも)り札は、しめ縄とともに1年中門口に飾り、無病息災を願う慣わしです。
これは、旧小津清左衛門家のものです。伊勢地方で北は雲出川、南は櫛田川までの松阪地域で飾られる「松阪しめ縄」です。紙垂(しで・かいだれ)は、清廉潔白を示し、神聖な空間をしめします。裏白(うらじろ)は、葉の裏が白いことから清い心、潔白な心を表し、葉の対に広がっていることから夫婦円満を表すそうです。
原田二郎旧宅の松阪しめ縄です。橙(だいだい)は、代々栄えるとう縁起を担いでいます。また、実が熟しても下に落ちないで年を越します。ゆずり葉は、新芽が出てから古い葉が落ちるので新旧相譲るという子孫繁栄を意味します。札付は、「笑門」「蘇民将来子孫家門」「千客万来」などがあります。