10月3日 県民手帳ができあがり、持ってきてもらいました。ポスター等の写真は、旧長谷川治郎兵衛家で撮りました。
左の松阪もめん柄は、安政4年の縞見本帳から復活させた「やまもも縞(しま)」です。右側は、一番人気の伝統柄の「藍縞(あいしま)」です。
三重県の県民手帳の来年度版(2020年用)は、10月10日から県内で一斉に発売されます。
三重県印刷工業組合青年部の会長さんのお嬢さんがモデルとして旧長谷川家で夏8月に撮影をしました。
10月発売ということで暑い中、夏の障子や建具を冬バージョンに替えて臨みました。
一番大変なのは、モデルさんです。吹き出す汗をなにげなく抑え、涼しげに振る舞わなくてはなりません。
暑い中でしたが、素敵な写真が撮れました。
ポスターも旧長谷川家の大正座敷の廊下で庭を見る姿を採用してもらいました。
チラシの裏面です。三重県の役立つデータ(統計データ・イベントレジャー情報・暮らしに役立つ生活情報・防災情報・三重の豆知識など)が満載です。
見返しに「豪商のまち松阪」のことと旧長谷川治郎兵衛家正面風景写真を入れてもらってあります。
次のページには、5世紀後半に伝わった機織り技術が松阪で伊勢神宮奉納という形で残っていること。室町時代に綿の栽培と木綿織りが盛んになったこと。江戸時代に「松坂嶋(しま)」と呼ばれた縞柄もめんが江戸の庶民に大人気となったことが書いてあります。現在「松阪木綿の紡績習俗」は文化庁から無形民俗文化財に選定されています。
10月6日 旧長谷川家の庭で見かけました。
学芸部の窓から網戸越しに「ヒヨドリ」を写真に撮ることができました。蹲いの水を替えた後、新鮮になったことがわかったのでしょうか。それとも偶然でしょうか。時々くるヒヨドリをやっと撮ることができました。
棉の木も実が割れて中から白い綿がでるようになりました。実もたくさんできています。
シジミチョウも二匹飛んでいましたが、一匹葉っぱにとまったところを撮りました。この写真の真ん中にいます。ちょっと見にくいですが。
大正座敷の床の間に、庭の「アイ(藍)」の花を生けてもらいました。
大正座敷の違い棚には、「タデ」の花を生けてもらいました。蓼の花言葉は「健康」だそうです。
10月8日 旧小津清左衛門家の展示替えをしました。
「松阪商人の茶の湯」という企画展です。10月8日~令和2年1月13日まで展示します。
今回の特別企画展では、歴代当主が裏千家の高弟で知られる松阪の富商小津本家と分家の小津東家と松阪清水町の富商乾家に伝わる裏千家の家元ゆかりの茶道具類と玄々斎の書状などの逸品を展示しました。
これは、小津清左衛門家の当主が裏千家14代家元淡々斎(たんたんさい)より茶名「宗玖」を許されたときのものです。
これは、江戸時代後期の「菊花蒔絵絵菓子箪笥」です。長野横笛による蒔絵が抽斗(ひきだし)表板に描かれていて瀟洒(しょうしゃ)な作風です。
表千家7代家元如心斎好みの茶道具です。四方に糸巻き形之透かしがほどこされており、総体黒漆で縁のみが朱漆に塗り分けられています。
松阪湊町の長井家12代当主 同玄斎が作ったものです。小津家第12代当主長篤に送られ茶杓で松ヶ島城跡の3本の銘木が用いられています。現存する茶杓は2本で「千貫松」「染衣梅」の書き付けがあります。
明治18年初冬に裏千家12代家元 又玅斎(ゆうみょうさい)が小津家に滞在した時に揮毫し、彫刻された扁額です。
「桑枠阿漕焼落瓶掛」です。鉄瓶をかける小風炉で、盆略点前や茶箱点前などに用います。格狭間透かし彫りの箱に鮮やかな青緑釉の阿漕焼きの落としを収めたものです。
松阪の富商は地方の1門人でありながら、家元と直に親交を深めた有力な後援者であったことが窺われます。
10月10日 今日は、地元松阪の魚町老人会のみなさまに旧長谷川治郎兵衛家の庭を掃除してもらいました。
10人の参加者で広大な裏庭をすっかり綺麗にしてもらいました。過日は、本居宣長旧宅跡も清掃してもらったとのことです。
毎日、スッタフも清掃していますが、たくさんの人数ですると成果が如実です。
13代当主の思い出に花が咲きました。第一小学校出身で故田村元衆議院議長と同級生であったことなどお話をしてもらいました。
終了後は、今回の展示の「伊勢商人と茶の湯」の展示で、特に裏千家の家元と旧長谷川家歴代当主との親密な関係を説明をさせていただきました。
10月11日午後 今日は、山室幼稚園の可愛い子どもたち19人に来てもらいました。
絵本に出てくる小判をお目当てにきてもらったそうですが、メダカや白い綿も見てもらいました。小判より大きい大判も見てもらいました。
「千両箱を持つ体験をしたいですか?」と聞いたところ、たくさんの子どもたちが挑戦してくれました。大きなお子さんは友だち二人で少し持ち上げることもできました。
幸せになる石の上ではしっかり、踏みしめて楽しんでもらいました。
スッポン石の前では、全体が見えないので西田園長先生に順番にだっこしてもらっていました。
特別に、餅を掲げている鬼の石像を見てもらい。「何をもっているのでしょう?」と聞いたところ「ケーキ」もありましたが、「お正月のお餅」とすかさず当ててくれました。
最後に「この遠足で一番楽しかったことは何でしたか?」と聞きました。「お友だちといっしょに食べたお弁当」との返事が返ってきました。みんなで食べた「おやつ」もありました。
でも「こばん」と言う発言をしてくれるお子さんもいて、ちょっと安心しました。
10月11日午前中 三重県観光連盟から谷本さんとフォットグラファーの安藤代表にきてもらいました。三重県のインターネット用の観光プロモーション作品の映像撮影です。
クイーン松阪のお二人にも参加してもらいました。
先ずは、大正座敷から撮影を開始しました。その後、庭、庭園へと移動してもらいました。
丁寧な細工の建具などを背景に様々な写真をとってもらいました。
京都の狩野派の絵師、吉田元陳による「紅葉図屏風」の前でも良い写真がとれました。金箔地に色鮮やかに染まった紅葉が描かれています。縁の金具は長谷川家の家紋「梅鉢紋」が施されています。
10月12日 台風19号で被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
旧長谷川治郎兵衛家と旧小津清左衛門家、原田二郎旧宅は、暴風警報が発令されたため休館にしました。
旧長谷川治郎兵衛家と旧小津清左衛門家、原田二郎旧宅は、暴風警報が発令されたため休館にしました。
中庭の様子ですが、いつもより水が溜まり、苔が水に浸かっています。
水が増えて溜まっています。
魚町と殿町を分ける背割り排水もいつもより水が沢山流れています。
庭園のスッポン石の前にも水がいっぱいになってきました。
少し、今日庵のあったところに近づくと数㎝の水が浸いています。
お稲荷さんのあるあたりも水が溜まっています。
角度を変えると庭園の池も水がいっぱいです。
緑の綺麗な池ですが、水がいつもより多くあります。
見慣れた風景が、水を湛えて違って見えます。
池の底がみえる時もありましたが、今日は濁っています。
離れの裏では、雨の様子が分かります。
メダカの瓶は、すぐ一杯になりました。
10月13日 旧小津清左衛門家の向座敷で「長谷川古文書講座」を開きました。講師は松阪歴史文化舎の門 暉代司理事長です。
歴代裏千家の家元の系図から長谷川家歴代当主の文芸活動などの関わりと松阪の茶人についての講義の後、実際に家元の手紙を読みました。
松阪社中の門弟の資料や社中宛ての手紙、裏千家許状などを見ていきました。
最後に旧長谷川治郎兵衛家の大蔵に入って、他の茶の湯に関係する資料を見学しました。
10月13日午後 窓の外の蹲(つくばい)で音がしたので振り向くとヒヨドリが水浴びをしていました。
この写真では、何かわかりませんが、部屋の電気を消して網戸越しに写真を撮りました。タイミングが結構むずかしいのですが、しばらくすると2羽いることがわかり、何度かシャッターをおすことができました。
台風一過の青空の中、暑くなったので水浴びをしにきたのでしょう。
水しぶきまでとれましたが、尾っぽを動かしているところを捉えました。(意図してとれたものでなくたまたま撮れたものですが。)
これで、ヒヨドリということがしっかりわかりますね。
10月17日 今日は、松阪市立第五小学校の3年生と松阪市立豊田小学校の3年生に社会見学で旧長谷川治郎兵衛家や旧小津清左衛門家に来て貰いました。
10月17日 原田二郎旧宅のキンモクセイ(金木犀)が、今 満開少し前です。
「一番すごいと思うものを一つ見つけて、あとで発表する。」という課題を持って見学をはじめてもらいました。
庭園の広大さや、庭に神社があることにびっくりしていた子どもたちはいろいろメモをしていました。
スッポン石の前で「これは何にみえるかな?」と問いかけると「石」もありましたが、「カメ」と答えてくれる子どももいました。「前の部分の三角の部分は頭に見えますか?」問うとみんな「そうか、カメだ。」と納得の様子でした。こんな大きな石を持ってきたことに興味をもってくれました。
一番の関心は、やっぱり小判でした。その小判が1000個入った箱を持ち上げることにも挑戦してくれました。
その重さにビックリ。
全員が、重さを実感してくれました。
庭の片隅に植えた綿や藍をしっかりみてくれました。綿飴みたいという子どももいました。最後の発表の時間に小判だけでなく大判を指摘した子どもや氏郷の茶杓(ちゃしゃく)がよかったという子どもいました。本物を見て心のどこかに何か感じてもらえればと思いました。
もう少しで満開でしょうか。
大きな木ですので、みあげて見るという感じです。
昨年の満開の写真です。こんなに見事になります。
花の時期が短いので、雨があがればぜひ一度お寄りください。入館料は無料です。
こんなに大きな木ですので、小さい黄色の花がより小さく見えます。
10月19日 今日も原田二郎旧宅の金木犀(キンモクセイ)を話題にします。
小雨の中のキンモクセイですが、晴れたら甘い香りが漂います。この香りにはリラックス効果だけでなくダイエット効果があるとのこと。
大きな木です。離れて全体を写すと花が小さすぎて見えにくくはありますが、花の時期が限られていますので、ぜひ、訪れてみてください。去年の台風で枝が折れたのが少し残念ですが。
10月20日 旧長谷川治郎兵衛家では、ギンモクセイが盛りです。香りが控えめなので気づかない人がみえます。
大蔵の前の中庭にあります。白い花です。
下の苔の上に花びらが、落ちています。花の時期はそう長くはありません。広大な庭園にはあと2本ギンモクセイの花が咲いています。
10月20日 火用心の木版印刷体験をしました。「離れ」を使いました。参加者は、全部で44名でした。
松煙をお酒で溶いて毎年10月~11月にかけて刷る「火用心」のお札です。
今回は、縮小版を日展作家の髙橋光彦先生に板木にしてもらい江戸時代から使用している印鑑を押しました。
団体で見学の皆様にも参加してもらいました。
世界で一つの御利益があるお札を持って帰ってもらいました。旧長谷川治郎兵衛家では350年間火事にあっていません。火を出すことも類焼も起きてこなかった家です。
10月22日 秋晴れの素晴らしい季節になってきました。庭園では小鳥のさえずりが清々しさを誘います。
また、その庭園内には石に生えている楓があります。この石の割れ目は下までいってないので水分をどのようにとっているか不思議です。
もう一つ、石から生えている木があります。こちらは、石の隙間がありそうなので、厳しい環境ですが一所懸命育っています。
こちらも、なにか「がんばっている」つながりで写真を撮りました。ここの11代目の当主の可同さんは(8186~1925)、餅に関するコレクターでした。屋敷内に「餅舎(もちのや)」という建物をたてました。その中の一つです。お餅を持ち上げる「餓鬼」でしょうか?
10月23日 原田二郎旧宅の木々に秋の気配を感じます。
あれだけ成っていた柿の実でしたが、台風などで少しずつ落ちました。青空に、まだたくさんあります。
玄関の千両(センリョウ)の実は、色づきました。まだ、赤くなるそうです。
庭の冬珊瑚(フユサンゴ)は、ナス科の植物ですが、実の鑑賞はこれからです。緑がオレンジにかわり、赤になります。ちょうど、その3色が見えます。
南天(ナンテン)の実は赤くなると、かっこうの鳥のエサです。鈴なりの
時と比べるとだいぶ少なくなりましたが、赤い実を付けています。
庭に石蕗(ツワブキ)が、たくさんあります。黄色い花が咲き始めました。これからしばらく楽しめます。
10月23日 旧長谷川治郎兵衛家では「宣長の直筆の6曲1隻」と、「6曲1双」3組の屏風を乾かしました。
季節がよくなり、外も晴れ間が覗くようになったので部屋干しをしました。
また、屏風を包んでいた布も洗い、太陽にあてることにしました。
10月24日 庭園の草刈りをやってもらっています。これから観光シーズンに向けて整った庭を見ていただくことができれば幸いです。
昨日から始めてもらった作業は生憎の雨模様。これから数日の
雨脚は悪くなる一報とのこと。やむなく続けることに決定してもらいました。
濡れた落ち葉は一入(ひとしお)大変です。時間がかかりますが、丁寧にやってもらっています。
背割り廃水がいつも綺麗なのは、この清掃のおかげです。
400年前に蒲生氏郷がまちづくりに始めた魚町と殿町を分ける背割り排水です。街の衛生管理を考えることが街の発展の第一。それを末永く維持していきたいものです。
10月25日 少し雨模様の旧長谷川治郎兵衛家の庭園の池にコサギがきました。
10月31日 茶色の綿ができました。
4月以後、初めて見るコサギです。
池にいる小さな生き物をさがしているようです。
7月9日には、アオサギがきていました。米蔵の屋根に止まっていました。
コサギに比べて随分大きな鳥です。ブログを始める前の4月や5月には、庭園のおたまじゃくしを狙って数羽のアオサギがきていました。また、巣をつくろうと高い大きな木にも来ていました。
綿は、白いイメージがありますが、旧長谷川治郎兵衛家に蒔いた棉(わた)は、白色の他、この茶色とベージュ色と緑色のものがあります。ぜひ一度見にきてください。但し、ベージュと緑色はまだ、蕾のままです。今は、茶色と白色の綿が見えます。ぬいぐるみのくまを連想する色です。
これは、ベージュの綿がでてくる棉の花です。以前載せた白色の花と少し違います。花の中に茶色の模様があります。
一足早く咲いた、山茶花(サザンカ)の花も綺麗です。
池の縁の芒(ススキ)も、この季節に相応しく感じます。
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